管工事業の許可ポイント|水道施設工事との違い

1. 管工事業とは?リフォーム・空調設備業者に必須の許可

管工事業とは、冷暖房、給排水、空調、衛生などの目的で、管を設置したり、金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送るための設備を設置する工事を指します。
住宅リフォーム、ビル・工場などの新築・改修工事において、設備関連の請負金額が500万円を超える場合、この管工事業の許可が必要となります。

管工事業に含まれる主な工事

  • 給排水・給湯設備工事: キッチン、浴室、トイレなどの給水・給湯・排水設備の設置
  • 空調設備工事: エアコン、暖房、換気、ダクトの設置
  • ガス配管工事: 建物内でのガス配管、メーター設置
  • 浄化槽工事: 浄化槽本体の設置(※ただし、基礎工事は「とび・土工工事業」の範囲となる場合あり)

2. 管工事業と水道施設工事業の違い

管工事を請け負う業者が最も混同しやすいのが「水道施設工事業」との違いです。この区別を誤ると、必要な許可を取れていない「無許可営業」となるリスクがあります。

違いの核心:公共の水道・下水道か、建物内の設備か

許可業種工事の場所と範囲目的
管工事業建物や敷地内の設備(給排水・給湯・空調・ガスなど)の設置・配管工事建物の内部機能の維持・向上
水道施設工事業公道下に埋設する上水道・工業用水道などのための取水、浄水、配水などの施設を築造する工事公共のインフラの整備・維持
  • ポイント:
    • 公道下の水道本管から敷地の境界線まで引き込む工事は水道施設工事業
    • 敷地の境界線から建物の中へ引き込み、トイレやキッチンに配管する工事管工事業

リフォーム業者が注意すべき点

リフォーム業者が行う「上下水道の配管工事」のほとんどは管工事業に含まれます。しかし、地方自治体や水道局からの発注で、公道の水道管や下水道管を工事する場合は、必ず水道施設工事業の許可が必要です。


3. 管工事業の専任技術者(専技)の許可要件

管工事業の許可を取得するために必要な「専任技術者(専技)」の要件を解説します。

ルート①:国家資格(最も確実)

以下の資格のいずれかを持つ技術者が、営業所に常勤していること。

資格区分資格名
施工管理1級・2級管工事施工管理技士
技術士衛生工学部門「水質管理」
技能検定配管、空気調和設備配管、冷凍空気調和機器施工など

ルート②:指定学科の卒業と実務経験

大学、高専、高校などで「指定学科」(機械工学、土木工学、建築学、衛生工学など)を卒業している場合、実務経験年数が短縮されます。

  • 大学・高専卒業:3年
  • 高校卒業:5年

ルート③:実務経験のみ(資格なしの場合)

資格も指定学科の卒業もない場合、管工事業に関する10年以上の実務経験が必要です。

  • 注意: 10年分の請負契約書や通帳の入金記録などを集め、その期間継続して給排水や空調などの管工事に従事していたことを客観的に証明する必要があります。

4. まとめ:管工事は「建物の中」、水道施設は「公道の下」

管工事業の許可は、リフォームや設備工事業の成長に不可欠ですが、特に公共工事を視野に入れる場合は、管工事業水道施設工事業の境界線を正確に理解しておくことが重要です。

許可取得のチェックポイント対策
水道施設工事の受注予定公道下の工事を請け負う予定があれば、管工事業と同時に水道施設工事業の取得を検討すべき。
専技の確保2級管工事施工管理技士などの資格保有者を常勤させるのが最もスムーズ。
資金の確保財産的基礎として、500万円以上の資金を確保する。

当事務所では、お客様が現在行っている工事の種類を詳細に分析し、管工事業の許可要件クリアはもちろん、必要な関連業種を過不足なく取得するための戦略をご提案いたします。
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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
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