許可取得後に会社の実態がないと判断されるケース

建設業許可は「取って終わり」ではありません。許可取得後、あるいは更新時の調査において、会社が「実体がない(ペーパーカンパニー)」と判断されると、許可の取り消しや更新拒否という厳しい処分が下されます。
行政側がどのようなポイントを見て「実体なし」と判断するのか、その具体的なケースと対策を解説します。

1. 「営業所」が機能していないケース

営業所は、建設業を営むための「実体」として厳しくチェックされるポイントです。

  • バーチャルオフィス・レンタルオフィスの利用: 建設業許可では、電話、机、什器備品があり、独立して業務が行えるスペースが必要です。住所貸しのみのバーチャルオフィスや、他社と完全に仕切られていない共同スペースは、実体がないとみなされます。
  • 看板や標識(許可票)がない: 営業所の入り口に会社名や許可票が掲示されていないと、外部から建設業を営んでいると認識できないため、実体なしを疑われる要因になります。
  • 居住スペースとの区別がない: 自宅を営業所にする場合、生活空間と事務スペースが明確に分かれていない(リビングの片隅に机があるだけ等)と、独立した営業所として認められないことがあります。

2. 「常勤性」が疑われるケース

経営業務の管理責任者(経管)や専任技術者(専技)が、実際にはその営業所にいないケースです。

  • 通勤不可能な遠方に住んでいる: 住民票の住所が営業所から数百キロ離れている場合、「本当に毎日出勤しているのか?」と疑われます。特急券の利用履歴や高速道路の領収書、あるいは単身赴任先の賃貸借契約書などの立証資料が求められます。
  • 他社でフルタイム勤務している(名義貸し): 専任技術者が他社の社会保険に入っていたり、他社で役員を務めていたりする場合、自社での「常勤」は不可能と判断されます。いわゆる「名義貸し」は建設業法違反の中でも特に重い処分(許可取り消し)の対象です。

3. 「事業活動」の記録がないケース

会社として形はあっても、建設業としての活動実態が全く見えないケースです。

  • 「事業年度終了届」を提出していない: 建設業者は毎年、決算終了後に「事業年度終了届(決算報告)」を提出する義務があります。これを数年分放置していると、「事業を行っていない」とみなされ、更新申請が受理されません。
  • 確定申告の内容と不整合がある: 税務署に出している確定申告書で売上が「ゼロ」の状態が続いている場合、建設業の経営実体がないと判断される可能性が高まります。
  • 連絡が一切つかない: 行政庁からの通知が届かずに返送されたり、登録された電話番号に何度かけても繋がらなかったりする場合、実態調査の対象となり、最終的には許可が取り消されることがあります。

4. 実体なしと判断された場合の「重いペナルティ」

もし調査によって実体がないと判断された場合、以下のような事態に陥ります。

  1. 許可の取り消し: 行政処分として許可が剥奪されます。
  2. 5年間の再申請禁止: 不正な手段(名義貸しなど)とみなされた場合、以後5年間は許可の再取得ができません。
  3. 社会的な信用失墜: 許可取り消し処分は都道府県のホームページ等で公表されるため、取引先や銀行からの信用を失います。

まとめ:維持管理こそが「攻め」の経営

せっかく取得した許可を守るためには、「営業所を適切に保ち」「有資格者を常勤させ」「毎年の報告を怠らない」という当たり前の管理を継続することが欠かせません。
特に、オフィスの移転や役員の交代、技術者の退職があった場合は、速やかに「変更届」を提出することが、実体を証明し続けるための唯一の方法です。
当事務所では、許可取得後の「営業所の適正チェック」や、毎年の「事業年度終了届」の作成代行を通じて、お客様の許可を強固に守り続けます。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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