資本金を増資した時の変更届

事業の規模拡大や社会的信用の向上、あるいは「特定建設業許可」へのランクアップを目指して資本金を増やす(増資する)ケースがあります。
建設業許可業者にとって、資本金の変更は単なる内部の数字変更ではなく、「30日以内」の届出義務を伴う重要な手続きです。その流れと注意点をまとめました。

1. 届出の期限と必要性

資本金を増額した場合、変更があった日から30日以内に変更届(変更届出書)を提出しなければなりません。
資本金は、その会社がどれだけの事業規模や資金調達能力を持っているかを示す重要な指標です。特に「特定建設業許可」を維持・取得するためには、厳しい財産的基礎(資本金2,000万円以上など)が求められるため、行政側も正確な数字を把握する必要があります。


2. 手続きの全体の流れ

資本金の変更は、まず登記を済ませてから建設業の手続きへと進みます。

  1. 株主総会での決議: 増資の内容(金額や割り当て)を決定します。
  2. 出資の履行: 株主が代金を払い込みます。
  3. 法務局での登記申請: 変更から2週間以内に行います。
  4. 建設業許可の変更届: 登記完了後、30日以内に行政庁へ提出します。

3. 提出に必要な書類

「増資しました」という報告には、公的な裏付け資料が必要です。

提出書類内容
変更届出書資本金の額(変更前・変更後)を記載する基本の書類。
登記簿謄本(原本)履歴事項全部証明書。増資後の金額が反映されたもの。
(特定許可の場合)直近の決算書等で財産的基礎を再確認される場合があります。

4. 増資をする際の「3つのメリットと注意点」

① 「特定建設業許可」への道が開ける

一般建設業から特定建設業へランクアップしたい場合、以下の「財産的基礎要件」をすべて満たす必要があります。増資はこれをクリアするための最も確実な方法です。

  • 資本金:2,000万円以上
  • 自己資本:4,000万円以上
  • 流動比率:75%以上 など

② 経営事項審査(経審)の点数アップ

公共工事の入札に参加する場合、資本金の額は「自己資本」として評価対象になります。増資によって財務体質が強化されると、経審のP点(総合評定値)が上がる要因となります。

③ 税務上の変化に注意

資本金が1億円を超えると、税法上の「中小法人」の特例が受けられなくなる(法人税率の上昇、外形標準課税の対象になる等)場合があります。増資の金額を決める際は、税理士とも十分に相談することが大切です。


5. まとめ:変更届を忘れると「更新」に響く

資本金の増資は前向きな変化ですが、届出を忘れていると、5年後の更新時に「登記簿と許可情報が一致しない」として受理を拒否される原因になります。
「登記が終わったから安心」ではなく、セットで建設業の変更届まで終わらせることを忘れないようにしましょう。
当事務所では、増資に伴う変更届の作成はもちろん、増資後の財務状況を踏まえた「特定許可へのランクアップ」や「経審のシミュレーション」も併せてサポートしております。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
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