離婚した元配偶者が専任技術者だったら?建設業許可の「空白」を防ぐための危機管理

「離婚して元妻(元夫)が家を出て行ってしまった」「専任技術者である元配偶者と連絡が取れない」 こうした事態は、建設業許可業者にとって「許可取り消し」の秒読みが始まったことを意味します。感情的な対立が、取り返しのつかないビジネス上の損失を招く前に、冷静な対応が必要です。


1. 最大のリスク:専任技術者の「不在」による許可失効

専任技術者は、その名の通り「その営業所に常勤」していなければなりません。離婚に伴い元配偶者が退職・転居した場合、その瞬間に専任技術者が「不在」となります。

  • 2週間以内のルール: 専任技術者が欠けた場合、2週間以内に新たな技術者を補充できなければ、建設業許可は原則として取り消しになります。
  • 猶予はない: 「後で探すから」という理由は一切認められません。離婚が決まった段階で、代わりの技術者を確保しておく必要があります。

2. 泥沼化しやすい「実務経験証明書」の拒否

もし元配偶者が別の会社で建設業許可を取ろうとしたり、逆に貴社が新しい技術者の実績を証明しようとしたりする際、「実務経験証明書」への押印が必要になります。

  • トラブル例: 「あんな奴のためにハンコは押さない」「ハンコが欲しければ慰謝料を上乗せしろ」といった、書類の押印を交渉材料に使われるケースが後を絶ちません。
  • 対策: 離婚協議書の中で、「建設業許可に関する書類の作成および押印に協力すること」を条項として盛り込んでおくことが、実務上の大きな守りになります。

3. 「名義だけ残す」のは絶対にNG!

「代わりの人が見つかるまで、元配偶者の名前をそのままにしておこう」と考えるのは非常に危険です。

  • 虚偽申請・名義貸し: 実際には勤務していない人を専任技術者として登録し続けることは「虚偽申請」にあたります。
  • ペナルティ: これが発覚した場合、許可取り消しだけでなく、今後5年間は許可が取れなくなるという重い罰則が科されます。また、元配偶者の側も「名義を貸した」として責任を問われるリスクがあります。

4. 経営業務の管理責任者(経管)も兼ねていた場合

元配偶者が「専任技術者」だけでなく、取締役として「経営業務の管理責任者」を兼ねていた場合はさらに深刻です。

  • 経営の柱を失う: 経営と技術の両方の要件が一度に欠けることになり、会社の「許可」という看板が完全に消滅する危機に陥ります。
  • 役員変更登記が必要: 離婚による辞任の場合、法務局での役員変更登記と、役所への変更届の両方が必要になります。

5. まとめ:ビジネスを私情に巻き込まないために

離婚は避けられない結果であったとしても、建設業許可を失うことは、そこで働く他の従業員や取引先にも多大な迷惑をかけることになります。

当事務所ができるトラブル回避サポート

  • 技術者の補充アドバイス: 2週間というタイトな期限内で、代替要員を立てるための要件確認を迅速に行います。
  • 円満な書類回収の助言: 感情的な対立がある場合でも、法的に必要な書類をいかに揃えるか、実務的なアプローチを提案します。
  • 体制の再構築: 「家族依存」の許可体制から、組織としての許可体制へ移行するためのコンサルティングを行います。

許可は一度失うと、取り戻すのに膨大な時間と労力がかかります。最悪のシナリオになる前に、ぜひ守秘義務のある行政書士にご相談ください。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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