会社を分ける(会社分割)時の建設業許可の引き継ぎ方|「空白期間」を作らないための事前認可制度

これまでの建設業法では、会社を分割すると許可は一旦消滅し、新会社で「新規申請」をやり直す必要がありました。そのため、許可が下りるまでの数ヶ月間、大きな工事を受注できない「空白期間」が発生するのが最大のネックでした。
しかし、2020年10月の法改正により、事前に役所の「認可」を受けることで、許可を途切れさせることなく新会社へ引き継げるようになりました。
1. 許可を引き継ぐための「事前認可制度」とは?
新設分割(新しく会社を作る)でも吸収分割(既存の他社に部門を譲る)でも、「会社を分ける前」に役所へ申請し、お墨付きをもらうことで、分割の日と同時に許可もスライドさせる制度です。
- メリット1: 許可番号が変わらない(※条件による)。
- メリット2: 工事ができない「空白期間」がゼロになる。
- メリット3: これまでの工事実績や経営事項審査(経審)の評価も引き継げる。
2. 許可承継のための「3つの絶対条件」
ただ会社を分ければ良いわけではありません。新会社でも、建設業許可の「5大要件」を維持している必要があります。
- 「人」のセット移動: 経営業務の管理責任者(経管)や専任技術者が、分割される建設部門と一緒に新会社へ移籍すること。
- 財産的基礎の維持: 分割後の新会社においても、500万円以上の自己資本(または資金調達力)があること。
- 誠実性と欠格要件: 新会社の役員たちが、法律違反などの欠格要件に該当しないこと。
3. スケジュール管理が「命」!
この制度を利用する上で、最も注意すべきはタイミングです。
- 「事後」は不可: 会社を分けた後に「引き継ぎたい」と言っても手遅れです。その場合は「新規申請」になり、空白期間が発生します。
- 審査期間の確保: 通常、認可が下りるまでには1ヶ月〜2ヶ月程度かかります。「会社分割の効力発生日(登記予定日)」から逆算して、かなり早めに動く必要があります。
4. 会社分割で許可を引き継ぐ際の注意点
経審(経営事項審査)はどうなる?
会社分割の場合、認可を受けることで前身の会社の「完成工事高」などの実績を引き継いで経審を受けることができます。これにより、新会社でもすぐに公共工事の入札に参加できる可能性が開けます。
- 知事許可と大臣許可: 分割によって営業所の場所が変わったり、県をまたいだりする場合は、知事許可から大臣許可への「許可換え」が必要になるケースもあり、手続きはさらに複雑になります。
- 登録免許税の免除: この承継認可の手続きでは、新規申請のような「9万円(知事許可の場合)」の登録免許税がかからないというコスト面でのメリットもあります。
5. まとめ:組織再編は「法務」と「建設業法」の両輪で
会社分割は、登記(司法書士)、税務(税理士)、そして建設業許可(行政書士)が密接に連携しなければならない高度な手続きです。
当事務所の承継サポート
- スキームの構築: 貴社の分割プランに合わせて、最も有利に許可を引き継げる方法を提案します。
- 役所との事前調整: 認可が確実に下りるよう、着手前から管轄部署と綿密な打ち合わせを行います。
- スケジュール一括管理: 登記日と認可日がピタリと重なるよう、タイトなスケジュールをプロが管理します。
「新会社にスムーズに許可を移したい」「経審の点数を維持したまま部門を独立させたい」とお考えの経営者様。まずは当事務所へご相談ください。
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