「般・特新規」とは?一般から特定へ切り替えるタイミング

「事業が大きくなってきて、元請として大きな工事を任されるようになった。そろそろ一般から特定に切り替えたい」
これは、建設業者様にとって大きな成長の証です。この手続きを建設業許可の用語で「般・特新規(はん・とくしんき)」と呼びます。
「更新」や「業種追加」とは全く別物の、非常に高いハードルを越えるためのポイントを解説します。

1. 「般・特新規」の正体

現在持っている「一般建設業許可」を返上し、新たに「特定建設業許可」を取得する手続きのことです。「新規」という名前の通り、ゼロから許可を取り直すのと同じ扱いになります。

  • なぜ必要か: 元請として受注した工事で、下請けに出す金額の合計が5,000万円(建築一式なら8,000万円)以上になる場合、特定建設業許可が必須となるからです。
  • 注意点: 許可番号の「第〇〇号」という数字は引き継がれますが、許可の有効期限(5年間)は新しく上書きされます。

2. 切り替えの絶対条件:非常に厳しい「財産要件」

特定許可への切り替えで最大の壁となるのが、財務状況です。一般許可では「500万円の資金」で足りましたが、特定許可では直近の決算において以下の4つの基準をすべて満たしていなければなりません。

財務基準の項目満たすべき内容
欠損の額資本金の20%以下であること。
流動比率75%以上であること(流動資産 ÷ 流動負債)。
資本金の額2,000万円以上であること。
自己資本の額4,000万円以上であること。

【重要】 この要件は、申請時だけでなく「毎年の決算」でも維持し続けなければなりません。一度でも下回ると、特定許可を維持できなくなるリスクがあります。


3. 技術者の要件:さらに高度な資格が必要

専任技術者(専技)になれる人も限定されます。

  • 一般許可: 2級施工管理技士や10年の実務経験でOK。
  • 特定許可: 原則として「1級施工管理技士」などの国家資格が必要です。
    • ※資格がない場合は、指導監督的実務経験(元請として5,000万円以上の工事を2年以上監理した経験)が必要ですが、証明の難易度は極めて高いです。

4. 切り替えるべき「3つのベストタイミング」

① 大きな元請案件が見えてきたとき

「次回の発注から、下請けへの発注額が5,000万円を超えそうだ」という話が出たタイミングです。審査には知事許可で1〜2ヶ月、大臣許可で3〜4ヶ月かかるため、逆算して動く必要があります。

② 決算が「絶好調」なとき

前述の「財務4基準」は、直近の確定した決算書で判断されます。利益が出ていて自己資本が厚くなっているタイミングを逃すと、次の決算まで申請できなくなる可能性があります。

③ 許可の更新時期に合わせて

一般許可の更新時期(5年ごと)に合わせて「般・特新規」を行うと、手続きを一本化でき、登録免許税などのコストも無駄になりません。


5. 手続きの費用と流れ

  • 手数料(登録免許税): 知事許可なら9万円(大臣許可なら15万円)が改めてかかります。
  • 有効期限の統合: 他の「一般」の業種を残したまま、一部の業種だけを「特定」にする場合、すべての業種の有効期限を「特定」の許可日に合わせる(一本化する)ことができます。

まとめ:攻めの経営のための「特定許可」

「般・特新規」は、単なる手続きではなく、会社の財務体質を盤石にするための経営判断です。

  1. 直近の決算書で財務4基準をクリアしているか?
  2. 社内に1級施工管理の資格保持者がいるか?
  3. 今後の受注計画で下請代金の制限を超える可能性があるか?

この3点をクリアしているなら、今こそがステップアップの時です。

当事務所では、決算書を事前に拝見し、「今の財務状況で特定が取れるか」の無料診断を行っております。
増資の必要性やタイミングについても、プロの視点でアドバイスいたします。
「特定への切り替え、うちの数字でいけるかな?」と不安な方、まずはシミュレーションから始めましょう。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
平成生まれの若さを活かしたフットワークの軽さが強み
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