舗装工事業の許可|道路工事参入への第一歩
1. 舗装工事業とは?工事の範囲を明確に
舗装工事業とは、道路、駐車場、運動場などの地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利等で舗装する工事を指します。
この許可は、道路工事や大規模な駐車場・外構工事を請け負う上で不可欠な許可です。
舗装工事業に含まれる主な工事
- アスファルト舗装工事: 道路、駐車場、遊歩道など
- コンクリート舗装工事: 道路、駐車場、橋面など
- ブロック舗装工事: インターロッキングブロックなどを用いた舗装
- 路盤(ろばん)形成工事: 舗装の下地となる地盤改良や路盤材の敷き均し
混同しやすい他の許可業種との境界線
| 工事内容 | 該当する許可業種 | 注意点 |
| 土地の掘削、盛土、整地 | とび・土工・コンクリート工事業 | 舗装に先行する大規模な地盤の改良や切土・盛土が主体の場合はこちら |
| 排水溝や側溝の設置 | 土木一式工事またはとび・土工・コンクリート工事業 | 舗装の付帯工事として一体的に行う場合は舗装工事に含まれる |
| ライン(区画線)の標示 | 塗装工事業 | 区画線や標識の設置は、舗装工事とは別の塗装工事業に分類される場合がある |
2. 舗装工事業の専任技術者(専技)要件
舗装工事業の許可を取得するために必要な「専任技術者(専技)」の要件を解説します。
ルート①:国家資格(最も確実)
以下の資格のいずれかを持つ技術者が、営業所に常勤していること。
| 資格区分 | 資格名 |
| 施工管理 | 建設機械施工管理技士、土木施工管理技士 |
| 技術士 | 建設部門 |
- ポイント: 土木施工管理技士は、舗装工事を含む土木工事全般に対応できるため、最も汎用性が高い資格です。
ルート②:指定学科の卒業と実務経験
大学、高専、高校などで「指定学科」(土木工学、都市工学など)を卒業している場合、実務経験年数が短縮されます。
- 大学・高専卒業:3年
- 高校卒業:5年
ルート③:実務経験のみ(資格なしの場合)
資格も指定学科の卒業もない場合、舗装工事業に関する10年以上の実務経験が必要です。
- 証明のポイント: 10年間の間に、アスファルト、コンクリート、ブロックなどによる地盤面の舗装工事に継続的に携わった事実を、契約書や通帳などで客観的に証明する必要があります。
3. 道路工事参入へのステップアップ戦略
舗装工事業の許可を取得することは、公共工事(道路、インフラ整備)への参入を目指す上での第一歩です。
3-1. 経審(経営事項審査)への参加
公共工事の入札に参加するためには、建設業許可を取得した後、経営事項審査(経審)を受けることが必須です。
- 戦略: 経審では、技術力(専任技術者の資格)や経営状況(財務内容)が点数化されます。舗装工事業で安定的に公共工事を受注するためには、1級土木施工管理技士の配置や財務体質の強化(メリット2参照)が求められます。
3-2. 一般→特定へのステップアップ
大規模な道路工事や高速道路の舗装工事など、元請けとして5,000万円以上の下請け発注を行う予定がある場合は、より厳しい特定建設業許可が必要となります。
- 特定許可の要件: 1級土木施工管理技士の配置、および厳しい財務要件のクリアが必須です。
4. まとめ:舗装工事業は「土木」の要
舗装工事業の許可は、道路や公共施設への参入、および民間での大規模な外構・駐車場工事の受注に不可欠です。
| 許可取得のチェックポイント | 対策 |
| 専技の確保 | 1級または2級土木施工管理技士の資格保有者を探すことが最も効率的。 |
| 実務経験証明 | 舗装工事の実績がわかる請負契約書や工事台帳を10年分揃える。 |
| 将来の展望 | 公共工事を目指すなら、経審対策として財務と技術者の強化を並行して進める。 |
当事務所では、お客様の現在の技術者と保有資格を分析し、舗装工事業の許可取得から、その後の公共工事参入戦略までを一貫してサポートいたします。
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