建設業許可の廃業届の書き方と期限を解説

建設業許可を返納(廃業)する際、行政庁に提出する「廃業届」(様式第22号の2)は、許可を適切に終了させるための書類です。
この届出は、事由が発生した日から30日以内という短い期限が定められており、期限内に正確な情報をもって提出しなければ、後の行政手続きに支障をきたす可能性があります。
ここでは、廃業届の基本的な書き方と、提出期限に関する注意点を解説します。


1. 廃業届(様式第22号の2)の主な記載事項

廃業届の様式は、各都道府県や国土交通省によって定められていますが、主な記載事項は共通しています。

① 許可情報

  • 許可番号・許可年月日: 取得した建設業許可の番号と年月日を記載します。
  • 業種: 廃業する許可業種(例:土木一式工事、建築一式工事)を記載します。
  • 許可を受けた者の商号・名称、氏名: 許可を受けていた法人名または個人事業主名を記載します。

② 廃業の事由と年月日

廃業届の核となる部分です。廃業の事由(理由)と、その事由が発生した正確な年月日を記載します。

廃業事由(主な例)記載すべき年月日
個人の死亡死亡の日
法人の合併による消滅登記簿上の合併の効力発生日
法人の解散登記簿上の解散の日
建設業を廃止建設業を営まなくなった日

注意点: 記載する年月日は、登記簿謄本や死亡診断書など、公的な裏付け資料と一致している必要があります。

③ 添付書類

廃業届には、以下の書類の添付が必須となります。

  • 建設業許可通知書(原本): 取得時に交付された許可証の原本を返納します。
    • 紛失した場合: 許可証の再発行はできないため、「許可通知書紛失届」(理由書)を作成し、提出します。
  • 事由を証明する書類: 廃業事由に応じて、履歴事項全部証明書(解散、合併など)や死亡診断書の写しなどを添付します。

2. 廃業届の提出期限と手続きの流れ

廃業届の提出期限は、建設業法第11条に基づき、事由発生から30日以内と定められています。

提出期限の計算

廃業事由提出期限
経管・専技の要件を欠いた場合事由が発生した日から30日以内
法人の解散、個人の死亡など事由が発生した日から30日以内

30日を過ぎたらどうなる?

期限を過ぎた場合でも、必ず廃業届は提出しなければなりません。提出が遅れた場合、その理由を問われたり、行政指導の対象となったりする可能性があります。気づいた時点で、可及的速やかに手続きを行う必要があります。

手続きの流れ

  1. 廃業事由の発生:(例: 役員の退任、会社解散、個人事業の廃止など)
  2. 証明書類の準備: 廃業日を証明する公的書類(登記簿謄本など)を収集。
  3. 廃業届の作成: 様式第22号の2に必要事項を正確に記入。
  4. 行政庁への提出: 許可証の原本を添えて、許可を受けた行政庁(都道府県庁または国土交通省)に提出。

3. 廃業届提出後の注意点

① 建設工事の完成義務

廃業届を提出したとしても、既に請け負っている工事については、建設業許可がなくても完成させる義務があります。契約上の責任は引き続き負うことになります。

② 5年間の再取得不可期間

建設業法に基づく「許可の取り消し処分」を受けた場合、その日から5年間は再度の許可取得ができませんが、自主的に廃業届を提出した場合は、この5年間の欠格期間は適用されません。再度事業を始める際に、すぐに新規申請を行うことが可能です。

4. 確実な廃業手続きは行政書士へ

建設業許可の廃業手続きは、特に法人の解散・合併個人事業主の死亡が関わる場合、法務・税務の手続きと並行して行う必要があり、手続きが複雑になりがちです。
当事務所にご依頼いただければ、行政庁が求める正確な廃業事由の特定、書類の収集、期限厳守での届出提出を代行いたします。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
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