電気工事業の建設業許可と電気工事業登録の違いを徹底解説
電気工事業を営む際、事業者は「建設業許可」と「電気工事業登録」という、性質の異なる二つの法規制の適用を受ける可能性があります。
この二つを混同すると、法令違反や必要な工事を請け負えないといった事態につながります。
この記事では、電気工事業者が知っておくべき、この二つの制度の違いと、それぞれの手続きの必要性について徹底的に解説します。
1. 建設業許可と電気工事業登録の目的の違い
建設業許可と電気工事業登録は、それぞれ異なる法律に基づき、異なる目的で設けられています。
| 制度名 | 根拠法 | 目的 |
| 建設業許可 | 建設業法 | 建設工事の契約の適正化と発注者の保護(請負金額の制限に関わる) |
| 電気工事業登録 | 電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法) | 電気工事の欠陥防止と安全性の確保(電気工事の適法な施工に関わる) |
違いのポイント
- 建設業許可:主に経営・契約に関する規制(請負金額が500万円以上の工事に関わる)
- 電気工事業登録:主に技術・保安に関する規制(一般用電気工作物や自家用電気工作物の工事に関わる)
2. 規制対象となる業務と金額による違い
① 建設業許可(電気工事業)
建設業許可は、請け負う工事の金額によって必要性が決まります。
| 許可の必要性 | 請負工事の金額 | 許可の種類 |
| 不要(軽微な工事) | 1件の請負金額が500万円未満の工事 | |
| 必要 | 1件の請負金額が500万円以上の工事 | 一般建設業許可(または特定建設業許可) |
要件の基準: 経営業務の管理責任者(経管)や専任技術者、財産的基礎など、会社全体の経営体力が審査されます。
② 電気工事業登録
電気工事業登録は、請け負う電気工事の種類によって必要性が決まり、金額の大小は関係ありません。
| 登録区分 | 対象とする電気工事 | 登録の必要性 |
| 通知電気工事業者 | 一般用電気工作物のみ(例:一般家庭、小規模店舗) | 必須 |
| 登録電気工事業者 | 一般用電気工作物と自家用電気工作物(例:工場、ビル)の両方 | 必須 |
| みなし登録電気工事業者 | 一般用電気工作物と自家用電気工作物 | 通知(登録ではない。建設業許可を取得している場合のみ) |
要件の基準: 電気工事士の資格保有者や、主任電気工事士の選任、工具や検査機器の保有など、技術的な体制が審査されます。
3. 両方の手続きが必要なケース
電気工事業者は、以下の二つの条件を同時に満たす場合、両方の手続きを行う必要があります。
- 500万円以上の電気工事を請け負う場合 → 建設業許可(電気工事業)が必要。
- 一般用電気工作物(または自家用)の工事を行う場合 → 電気工事業登録(または通知)が必要。
例えば、「請負金額5,000万円の商業ビルの電気設備工事」を行う場合、その業者は必ず「建設業許可」と「電気工事業登録」の両方を持っていなければなりません。
4. 許可・登録をスムーズに進めるためのポイント
電気工事業に関する手続きは、建設業法と電気工事業法の二つの法律の要件を同時に満たす必要があるため、非常に複雑です。
専門家依頼のメリット
- 資格の適格性診断: 建設業許可の専任技術者と、電気工事業の主任電気工事士に必要な資格要件は異なります。保有資格で両方の要件を満たせるかを専門家が診断します。
- 二つの手続きの一括代行: 建設業許可申請と電気工事業登録申請を、同時並行で漏れなく進められます。
- 重複書類の効率化: 両方の申請に共通する書類(会社の登記事項証明書など)を効率的に活用できます。
電気工事業の許可・登録は、どちらか一つでも欠けると、営業範囲の制限や法令違反につながります。事業のコンプライアンスを徹底するためにも、ぜひ一度ご相談ください。
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