太陽光発電・蓄電池設置に必要な建設業許可の業種とは?

太陽光発電パネルや蓄電池の設置工事は、再生可能エネルギー普及の追い風を受け、市場が大きく拡大しています。これらの工事を請け負う場合、原則として1件の請負金額が500万円(税込)以上であれば、建設業許可が必要です。
しかし、「太陽光発電の設置はどの業種にあたるのか?」「蓄電池の設置は電気工事だけではないのか?」といった疑問を抱く事業者様が多くいます。
この工事で必要となる建設業許可の業種は、工事の部位と範囲によって異なり、複数の業種にまたがるケースが一般的です。


1. 太陽光発電設備工事で必要となる主な業種

太陽光発電設備の設置工事は、大きく分けて「パネルの設置(屋根・架台)」と「電気的な接続」の2つの工程に分かれます。

① 電気工事業

太陽光発電でメインとなるのはこの業種です。

  • 工事範囲:
    • 太陽光パネルからパワーコンディショナー(パワコン)までの電気配線
    • パワコンから分電盤、そして電力系統に接続するまでのすべての工事。
    • システム全体の動作確認と調整。
  • 必要性: 設備の発電した電力を利用可能にするための電気的な接続工事はすべてこの業種に該当します。

② 屋根工事業または内装仕上工事業(建築に付随する場合)

建物の屋根上にパネルを設置する場合、建築工事の側面も持ちます。

  • 屋根工事業: 太陽光パネルの設置が、屋根の構造の一部と見なされる場合や、屋根を貫通して設置架台を設ける場合。
  • 内装仕上工事業: 建築物の内部の天井や壁に、配線を通すための開口部を設けるなど、内装に手を入れる場合。

③ とび・土工工事業(野立て・架台設置の場合)

特に大規模な野立て式(地面設置)の太陽光発電施設や、大規模な架台を設置する場合に必要となります。

  • 工事範囲:
    • 架台を設置するための基礎工事(コンクリート基礎、杭打ちなど)。
    • 架台の組み立てと、その上にパネルを設置する工事。

2. 蓄電池設備工事で必要となる主な業種

蓄電池(バッテリー)の設置工事も、主に「機器の設置」と「電気的な接続」に分かれます。

① 電気工事業

蓄電池工事においても、電気工事業がメインとなります。

  • 工事範囲:
    • 蓄電池本体と、既存の分電盤パワコンを接続する電気配線工事
    • 充放電制御システム、ブレーカー等の設置。
  • 必要性: 蓄電池を機能させるためのすべての電気的な接続作業が該当します。

② 管工事業(燃料電池など特殊な場合)

家庭用燃料電池(エネファームなど)のように、熱源燃料配管が関わる設備を設置する場合に必要となることがあります。純粋な蓄電池設置では通常は不要です。


3. 「一式工事」として請け負う際の注意点

太陽光発電設備の設置を「一括で請け負う」場合、発注者との契約内容が「建築一式工事」と見なされる可能性があります。

建築一式工事と電気工事業の区別

  • 建築一式工事: 新築、増築、改築など、総合的な企画・指導・調整のもとに行われる、大規模複雑な工事を指します。
  • 太陽光・蓄電池工事: 既存の建物への設備追加や、野立ての発電所建設は、基本的に「電気工事業」や「とび・土工工事業」などの専門工事に分類されます。

💡 判断基準:

建設業許可の取得を検討する場合、請け負う工事の実態電気配線架台設置といった専門工事であれば、その業種(電気工事業、とび・土工工事業など)の許可を取得することが必要です。


4. 適切な業種選択と許可取得は専門家へ

太陽光発電や蓄電池の設置工事で必要となる許可業種は、工事の範囲、請負金額、契約形態によって複雑に変化します。

  • 多くのケースで「電気工事業」の許可が必要となりますが、500万円以上の野立て架台基礎工事を含む場合は「とび・土工工事業」も必要となるなど、複数の許可が必要となる可能性があります。

当事務所では、貴社の請け負う工事内容を詳細にヒアリングし、「どの業種」の許可を「どのような要件」で取得すべきかを正確に判断し、手続きをサポートいたします。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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