建設業許可を取るメリット5選

2025年12月6日 2025年12月6日行政書士古川俊輔

行政書士古川俊輔

「建設業許可は、500万円以上の工事を請け負うためだけの義務」だと思っていませんか？
実は、許可の取得は、あなたの会社が次のステージへ進むための「ビジネス上の強力な武器」です。ここでは、建設業許可を取得することで得られる、事業運営上の具体的なメリットを5つ解説します。

メリット1：500万円以上の工事受注が可能になる

これが最も直接的で最大のメリットです。
建設業許可がないと、請負金額が500万円（税込）以上の工事を請け負うことは法律で禁止されています（無許可営業）。この上限がなくなることで、事業の規模を一気に拡大できます。

大型案件への参入： 許可を持つことで、数千万円、数億円といった規模の工事の入札参加資格や、大手元請けの指名案件の対象となります。
安定した収益確保： 小規模な工事に依存するリスクから解放され、高単価で安定した収益を確保しやすくなります。

メリット2：企業の信用力が飛躍的に向上する

建設業許可は、国や都道府県が「この会社は、技術力、資金力、経営能力の基準を満たしています」と公に認めた証です。

2-1. 発注者からの信用

元請けとの取引拡大： 大手の元請け企業は、法令遵守（コンプライアンス）の観点から、許可業者としか取引しない方針を徹底しています。許可を取得すれば、取引先の幅が広がり、安定した仕事量につながります。
個人・法人発注者からの安心感： 新規の個人客や法人顧客に対しても、許可票（金看板）を見せることで、「この会社は信頼できる」という安心感を与え、他社との差別化を図れます。

2-2. 金融機関からの信用

銀行などの金融機関は、融資の審査をする際、許可の有無を企業の安定性を示す重要な判断材料とします。
許可を持つことで、「事業が安定しており、法令を遵守している」と評価され、融資を受けやすくなる、あるいは好条件で借りられる可能性が高まります。

メリット3：公共工事の入札参加資格が得られる

建設業許可を取得しなければ、公共工事（国、都道府県、市町村の発注工事）への入札に参加する資格すら得られません。

経営事項審査（経審）の受験資格： 建設業許可を取得した後で初めて「経営事項審査（経審）」という審査を受けられます。この経審の点数（P点）によって、入札に参加できる工事のランクが決まります。
安定した受注源： 公共工事は景気に左右されにくく、安定した受注源となるため、事業の基盤を磐石にする上で不可欠なステップです。

メリット4：社会保険加入のメリットを享受できる

建設業許可を取得するためには、厚生年金保険、健康保険、雇用保険といった社会保険への加入が原則として必須となります。
一見、コスト増に感じられるかもしれませんが、社会保険の加入は以下のメリットをもたらします。

優秀な人材の確保： 社会保険完備は、現代において社員にとって必要不可欠な福利厚生です。許可取得を通じて加入を徹底することで、優秀な技術者や若手社員の採用において、優位に立てます。
従業員の安心と定着率向上： 従業員が安心して長く働ける環境が整備され、会社の定着率が向上します。

メリット5：経営管理体制が確立される

許可を取得する過程で、以下のことが明確になります。

経営体制の明確化： 「経営業務の管理責任者（経管）」を決めることで、経営経験と責任の所在が明確になります。
技術力の証明： 「専任技術者（専技）」を配置することで、会社が持つ専門技術や資格が整理・証明され、誰がどのような技術を持っているかが明確になります。

これらの体制確立は、対外的な信用につながるだけでなく、社内の組織体制を整えるきっかけとなり、会社の基盤強化に役立ちます。

まとめ：許可は「義務」ではなく「成長への投資」

建設業許可は、単に法律を守るための「義務」ではなく、「会社の信用力向上」「高額受注の獲得」「安定した経営基盤の確立」を実現するための強力な投資です。
許可を取得できれば、あなたの事業は間違いなく次のステップに進みます。
許可取得の要件チェックから申請まで、専門知識を持つ行政書士が最短ルートでサポートいたします。
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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔: 建設業許可専門の行政書士
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