専任技術者の「実務経験」に認められる工事・認められない工事とは?

建設業許可を取得するためには、各営業所に「専任技術者」を配置しなければなりません。国家資格がない場合、「10年以上の実務経験」(学歴により3年〜5年に短縮可能)が必要ですが、この「実務経験」の中身が厳しくチェックされます。
1. 「実務経験」として認められる内容
実務経験とは、単に「建設会社に在籍していた期間」ではなく、「その業種に関する技術的な経験」を指します。
- 直接的な施工: 実際に現場で手を動かして作業を行った期間。
- 現場監督・管理: 工事の施工管理、工程管理、品質管理、安全管理を行っていた期間。
- 技術的な指導・監督: 見習い期間であっても、技術習得のための具体的な作業であれば含まれます。
2. 実務経験として「認められない」ケース
ここが最も注意すべきポイントです。以下のような業務は、たとえ建設現場にいたとしても実務経験にはカウントできません。
① 事務・単純作業のみの場合
- 事務作業: 現場事務所での書類作成や経理業務。
- 単純労務: 現場の片付け、清掃、資材の運搬(運転のみ)、穴掘りなどの付随的な雑務。
- 営業・見積: 工事の受注活動のみで、施工に深く関わっていない場合。
② 業種(カテゴリー)が異なる場合
建設業許可は29の業種に分かれています。「申請する業種」と「経験した内容」が一致していなければなりません。
- 例: 「内装仕上工事業」の許可を取りたいのに、過去10年の経験がすべて「塗装工事」だった場合、その期間は内装の実務経験としては認められません。
③ 証明書類が揃わない期間
どれだけ素晴らしい経験があっても、それを公的な書類で証明できない期間は、実務経験としてゼロとみなされます。
3. 実務経験を証明する「2つの壁」
役所の審査では、「自己申告」は一切通用しません。以下の2点をセットで証明する必要があります。
| 証明が必要な項目 | 主な必要書類 |
| ① 確かにその会社にいたか | 厚生年金加入記録(被保険者記録回答票)、確定申告書の控えなど |
| ② 確かにその工事をしていたか | 契約書、注文書、請書。またはこれらに準ずる請求書+入金確認資料(通帳など) |
行政書士からのアドバイス: 特に「10年分」の注文書や請求書をすべて保管している会社は稀です。「何年分なら揃っているか」「代わりの書類で認められないか」を判断するのが、我々行政書士の腕の見せ所です。
4. 「実務経験」に関するよくあるQ&A
Q. 複数の業種を同時に10年ずつ証明できますか?
A. 原則としてできません。 1つの期間に認められるのは1業種のみです。例えば「大工」と「内装」の両方を実務経験で取るなら、合計で20年の経験(重複期間なし)を証明するのが原則です。 ※ただし、指定学科の卒業や、特定の業種間での「振替」が認められる例外もあります。
Q. アルバイト期間は含まれますか?
A. 含まれる可能性があります。 ただし、正社員と同様に「フルタイムに近い実態」と、それを証明する客観的な資料(給与明細や通帳、年金記録等)が必要です。
5. まとめ:10年の証明を諦める前にご相談を
「手元に書類が少ししかない」「経験はあるが、どの業種に該当するか自信がない」という理由で許可を諦めている経営者様は非常に多いです。
しかし、行政書士が過去の記録を精査することで、「実はこの書類も証拠になる」「この業種なら要件を満たせる」といった道筋が見えることが多々あります。
当事務所ができること
- 10年分の膨大な書類の精査・整理
- 役所との事前交渉(どの程度までなら認められるかの確認)
- 最短ルートでの申請準備
「専任技術者になれるか不安だ」という方は、まずは当事務所の無料要件診断をご活用ください。
あなたのキャリアを正当に評価し、許可取得まで伴走いたします。
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