株式会社と合同会社、建設業許可を取るならどっち?

これから法人化して建設業許可を目指す際、「株式会社にするか、最近増えている合同会社にするか」は非常に悩ましいポイントです。
結論から言うと、建設業許可の要件(経管・専技など)はどちらの形態でも全く同じです。しかし、建設業界特有の「商習慣」や「コスト」の面で大きな違いがあります。
それぞれの特徴を比較して、どちらがあなたに合っているか確認しましょう。

1. 建設業許可の要件に違いはある?

まず、最も重要な点ですが、許可の取りやすさに差はありません。

  • 経営業務の管理責任者(経管): 株式会社の「取締役」、合同会社の「業務執行社員」であれば、どちらも経営経験としてカウントされます。
  • 専任技術者(専技): 雇用形態や資格のルールは共通です。
  • 財産的基礎(500万円): 資本金の額や残高証明書のルールも同じです。

2. 株式会社と合同会社の比較表

建設業を営む上で気になるポイントをまとめました。

比較項目株式会社合同会社
設立費用(実費)約20万円〜約6万円〜
社会的信用度高い(一般的)まだ低い(説明が必要なことも)
役員の任期最長10年(更新が必要)無期限(更新不要)
決算公告の義務あり(官報等への掲載)なし
意思決定出資比率に応じる出資比率に関わらず自由

3. 建設業界ならではの「選び方の基準」

「社会的信用」を重視するなら株式会社

建設業界は、古くからの慣習を重んじる業界です。元請業者(ゼネコンなど)や銀行の中には、残念ながらまだ「合同会社」に対して馴染みがない担当者もいます。

  • メリット: 「株式会社〇〇建設」という名前だけで、一定の安心感を与えられる。
  • デメリット: 設立費用が高く、役員の任期が切れるたびに数万円かけて「重任登記」をする手間とコストがかかる。

「コストと手軽さ」を重視するなら合同会社

最近ではAmazonやAppleの日本法人も「合同会社」であることから、徐々に認知度は上がっています。

  • メリット: 設立費用が圧倒的に安い。また、役員の任期がないため、役員が変わらない限り登記の手間がかからない。
  • デメリット: 取引先から「合同会社って何?」と聞かれたり、名刺交換で少し珍しがられたりすることがある。

4. 経営事項審査(経審)や公共工事への影響は?

「合同会社だと経審の点数が低くなるのでは?」という不安の声を耳にしますが、そんなことはありません。

  • 経審(経営事項審査): 法人格の違いによる加点・減点は一切ありません。
  • 公共工事の入札: 合同会社であることを理由に入札に参加できない、あるいは不利になるということもありません。

5. 結論:どっちがおすすめ?

現在の建設業界の状況をふまえると、以下のような判断基準がおすすめです。

  • 「将来的にゼネコンの協力会に入りたい」「大きな元請けをどんどん開拓したい」株式会社 が無難です。
  • 「まずは許可を取って、今の取引先との仕事を確実に行いたい」「設立コストを抑えて、現場の道具や車両にお金をかけたい」合同会社 でも全く問題ありません。後から株式会社へ組織変更することも可能です。

まとめ:大事なのは「中身(許可要件)」

株式会社でも合同会社でも、建設業許可を取るために最も重要なのは、「5年の経営経験」と「資格・実務経験」をしっかり書類で証明できるかという点に尽きます。
法人の形にこだわりすぎて、肝心の「許可が下りない」という事態にならないよう、設立前にしっかり準備をしましょう。
当事務所では、法人の設立登記(提携司法書士)から建設業許可の申請まで、ワンストップでサポートしております。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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