ナフサショックで建築資材が手に入らない!建設業界の今後はどうなる?

2026年に入り、中東情勢の緊迫化に伴ってホルムズ海峡の物流が激変したことで、日本の石油化学産業の原点である「ナフサ(粗製ガソリン)」の供給が危機的状況に陥っています。
「うちはガソリン車じゃないから関係ない」では済まされません。住宅やビルの「見えない部分」に使われている建材の多くは、このナフサから作られているからです。


1. いま、何が現場で不足しているのか?

今回のショックで直撃を受けているのは、主に以下のような「石油由来」の建築資材です。

① 断熱材(ポリスチレンフォームなど)

住宅の省エネ性能を左右するプラスチック系の断熱材は、大手メーカーがこぞって「40%以上の値上げ」や出荷制限を発表しています。

② 塩ビ製品(配管・壁紙など)

水道の配管に使われる塩化ビニル管や、内装の主役であるビニル壁紙も、原料不足による「戦略的減産」が行われており、価格高騰と品薄が同時に進んでいます。

③ 接着剤・シンナー(溶剤)

インテリア工事に不可欠なボンドや、外壁塗装に必須のシンナー類は、「価格が上がった」どころではなく「モノが手に入らない」という最悪のフェーズに突入している現場もあります。


2. 建設業界の今後はどうなる?予測される3つのシナリオ

シナリオ①:工期遅延による「損害賠償」のトラブル増加

資材が入らなければ、当然工事はストップします。施主への引き渡しが遅れた場合、「遅延損害金」を誰が負担するのか、という泥沼のトラブルが急増することが予測されます。

シナリオ②:見積もりの「有効期限」が超短期化

朝の見積もりが夜には通用しないほど、建材の価格が乱高下しています。今後は「見積有効期限:3日間」といった、極めて短いスパンでの契約がスタンダードになるでしょう。

シナリオ③:資材置き場を狙う「窃盗」の増加

これまでの資材危機(リーマンショック後など)でもそうだったように、モノが不足すると現場やヤードからの資材窃盗が急増します。防犯対策のコストも重くのしかかります。


3. 経営者が今すぐ打つべき「3つの防衛策」

ただ嵐が過ぎ去るのを待つだけでは、会社が持ちません。今すぐ以下の法務・経営的な対策を講じてください。

その1:契約書に「スライド条項(不可抗力条項)」を入れる

これから結ぶ契約には、「急激な資材高騰や調達不能による工期の変更・請負代金の変更については、両者誠意を持って協議する」という文言を必ず入れてください。従来のひな形のままでは、赤字をすべて自社で被ることになります。

その2:施主・元請けへの「早めのエビデンス提示」

「資材がない」と口頭で伝えるだけでは、施主は納得しません。メーカーからの「出荷制限の案内文」や「値上げ通知書」をしっかりと手元に集め、不可抗力であることを証明する客観的な証拠(エビデンス)を提示して交渉しましょう。

その3:手元資金の確保と経営計画の見直し

工期が伸びれば、それだけ売上の入金も後ろにズレ込みます。資金繰りがショートしないよう、早めの融資検討や、場合によっては事業規模の縮小・業態のシフトも含めた経営計画の練り直しが必要です。


4. まとめ:変化に強い組織だけが生き残る

これからの建設業界は、「ただ技術がある」だけでは生き残れません。法務の知識を持ち、激動する社会情勢に柔軟に対応できる経営者だけが、この荒波を乗り越えることができます。

当事務所のサポート

  • トラブルを防ぐ「契約書」のチェック・作成
  • 資材高騰に伴う、施主・元請けとの交渉アドバイス
  • 万が一の事業転換や、組織再編に伴う建設業許可の手続き

「現場を止めたくない」「会社を潰したくない」。その切実な想いに、法務のプロとして全力で寄り添います。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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