気まずい?前職に「実務経験証明書」の印鑑を依頼する際の円満な頼み方とコツ

資格を持たずに建設業許可を取得する場合、10年間の実務経験を証明しなければなりません。今の会社での経験だけでは足りない場合、どうしても前の職場に協力をお願いする必要が出てきます。
「断られたらどうしよう」「連絡しにくい……」と悩んでいる経営者・担当者様へ。スムーズに書類を揃えるためのノウハウを行政書士が伝授します。


1. なぜ「前職の証明」が必要なのか?

専任技術者の実務経験は、「いつ、どの会社で、どんな工事に携わったか」を公的に証明する必要があります。 自社の経験だけで足りない場合は、当時の雇用主(代表者)の印鑑(または署名)が必要になるため、前職への依頼は避けて通れないプロセスなのです。


2. 依頼を成功させるための「3つの事前準備」

いきなり電話で「印鑑をください」と言うのは失礼にあたりますし、相手も警戒します。まずは以下の準備を整えましょう。

① 自分で下書きを完成させておく

相手の手間を最小限にするのが鉄則です。 「当時の工事を思い出して書いてください」と丸投げするのはNG。自分で当時の記憶や手元の資料を頼りに、申請書類の下書きを作成しておきます。

② 証明してもらう期間を明確にする

「〇年〇月〜〇年〇月まで」と、在籍期間を正確に特定します。年金事務所で「被保険者記録回答票」を取得しておくと、正確な在籍期間がわかります。

③ 手土産や返信用封筒を用意する

郵送でやり取りする場合は、切手を貼った返信用封筒を同封するのはもちろん、丁寧な手紙(添え状)を添えることがマナーです。


3. 【例文あり】相手に安心感を与える「頼み方」のポイント

相手が最も懸念するのは、「この書類にハンコを押して、自分にリスクはないか?」という点です。

伝えるべき3つのポイント

  1. 「許可を取りたい」という前向きな理由: 独立して頑張っている姿勢を伝えます。
  2. 「法的な確認資料である」こと: 怪しい書類ではなく、役所に提出する正式な手続きであることを説明します。
  3. 「手間は取らせない」こと: 内容は作成済みで、確認と押印だけであることを強調します。

電話での切り出し例

「ご無沙汰しております、以前お世話になりました〇〇です。その節は大変ありがとうございました。 実はこの度、弊社で建設業許可を取得することになり、〇〇社長のもとで修行させていただいた期間の実務経験を証明する必要が出てまいりました。 役所に出す書類で、当時の在籍期間を確認するだけのものです。お忙しい中お手数をおかけしますが、内容をご確認のうえ、お認めをいただけないでしょうか。」


4. もし「拒否」されたり「会社が倒産」していたら?

最善を尽くしても協力が得られない場合や、前職がすでに廃業している場合でも、諦めるのはまだ早いです。

  • 会社が倒産・廃業している場合: 当時の注文書や確定申告書、給与明細などの客観的な資料を積み上げることで、例外的に認められるケースがあります(自治体により判断が異なります)。
  • どうしても協力が得られない場合: 無理に交渉を続けるとトラブルになります。別の期間での証明ができないか、あるいは資格取得を目指すか、戦略の切り替えが必要です。

5. 行政書士が「中立ち」するメリット

自分ではどうしても連絡しづらい、あるいは説明がうまくできるか不安だという場合、行政書士に依頼するメリットは大きいです。

  • 専門家からの説明: 「行政書士が作成した書類です」と提示することで、相手側の警戒心が解け、スムーズに協力が得られることが多々あります。
  • 書類の正確性: せっかくもらった印鑑が「内容不備」で無駄になるのを防ぎます。

まとめ:過去の経験を「資産」に変えるために

実務経験証明書は、あなたがこれまで積み上げてきた努力を証明する大切な書類です。前職への依頼は勇気がいることですが、誠実にお願いすれば、かつての師匠や仲間は応援してくれるものです。
当事務所では、「前職への依頼のアドバイス」や「複雑な実務経験の整理」を数多く手がけてきました。
書類の書き方から依頼の進め方まで、不安なことがあれば何でもご相談ください。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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