役員の変更(就任・辞任)があった時の届出期間と手続き

会社経営を続けていれば、役員の交代や新任、あるいは退任といった変化は必ず発生します。
建設業許可業者にとって、役員の変更は単なる社内の人事異動ではありません。「30日以内」という非常に短い期限がある法的義務であり、一歩間違えると「欠格要件」に触れて許可を失うリスクも孕んでいます。
正しい手続きの流れと注意点を解説します。

1. 届出の期限は「変更から30日以内」

役員に変更があった場合、変更があった日から30日以内に変更届(正式には「変更届出書」)を許可権者(知事または大臣)に提出しなければなりません。

  • 起算日に注意: 通常、役員の変更はまず法務局で「登記」を行います。30日という期限は、登記が完了した日ではなく、「実際に変更があった日(株主総会での決議日など)」からカウントされるため、非常にタイトです。

2. 変更の種類と必要な書類

新しく役員が「就任」する場合と、既存の役員が「辞任・退任」する場合では、準備する書類の重みが全く異なります。

① 役員が「就任」する場合(追加・交代)

新しく役員になる人が「欠格要件」に該当しないかを厳しくチェックされるため、多くの添付書類が必要です。

必要書類内容
変更届出書役員の氏名や役職を記載する基本の書類。
役員等の一覧表変更後の役員構成をまとめたもの。
登記簿謄本(履歴事項全部証明書)役員変更の登記が完了した後の原本。
身分証明書本籍地の役所で取得(破産者でないことの証明)。
登記されていないことの証明書法務局で取得(成年被後見人等でないことの証明)。

② 役員が「退任(辞任・解任)」する場合

退任のみの場合は、新任ほど複雑ではありません。

  • 必要書類: 変更届出書、役員等の一覧表、登記簿謄本。

3. 手続きの重要ポイント(ここに注意!)

新役員の「欠格要件」を必ず事前にチェック!

これが最も重要です。新しく就任する役員が、もし過去に刑事罰(罰金刑以上)を受けていたり、暴力団員との関わりがあったりして「欠格要件」に該当する場合、その一人が原因で会社全体の建設業許可が取り消されます。就任前に、必ず本人に確認(または誓約書の取得)を行うのが実務上の鉄則です。

「経営業務の管理責任者(経管)」の交代を伴う場合

退任する役員が「経管」を兼ねていた場合、さらに事態は深刻です。 後任の役員が「5年以上の経営経験」という経管の要件を満たしていないと、変更届を出すどころか、その瞬間に許可要件を欠き、許可を維持できなくなります。 経管の交代は、必ず「後任が要件を満たしているか」を確認してから進めてください。

登記との「二度手間」に注意

まず法務局で登記申請をし、登記簿謄本が出来上がってから建設業の変更届を出します。登記簿の発行には1週間〜10日ほどかかることもあるため、逆算して早めに動く必要があります。


4. 届出を忘れるとどうなる?

  • 更新が止まる: 5年後の更新時に、役員の変更届が出ていないことが発覚すると、その場で受理を拒否されます。
  • 行政指導の対象: 期限を大幅に過ぎて提出すると、「遅延理由書」の提出を求められたり、悪質な場合は行政指導を受けたりします。

まとめ:役員の変更は「スピード」が命

役員の変更は、登記と建設業の手続きが連動しているため、社内の総務担当者や司法書士、行政書士との連携が欠かせません。
特に「後任の役員が許可要件をクリアできるか」という判断は、経営の根幹に関わります。
当事務所では、役員変更に伴う欠格要件の事前チェックから、登記後の変更届提出まで、お客様の許可を守るためのスムーズな進行をトータルでサポートします。
新しい役員を迎え入れる前に、要件に不安はありませんか?まずは無料相談でリスクを確認しましょう。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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