経審と経営状況分析の違いとは?それぞれの役割を分かりやすく解説

公共工事への参入を志し、いざ手続きを調べ始めると、「経営事項審査(経審)」と並んで「経営状況分析」という言葉が当たり前のように出てきます。
「この2つは同じもの? それとも別々に対応しなきゃいけないの?」
「何のために2回も似たような名前の申請をするのか分からない……」
このように戸惑われる経営者様や担当者様は非常に多いです。
結論から言うと、この2つは「全く別の手続き」であり、公共工事の入札に参加するためには「両方とも」クリアしなければなりません。
今回は、これら2つの違いとそれぞれの役割、そして手続きを進める正しい順番について、建設業専門の行政書士が分かりやすく解説します。

1. 例え話で理解する「経審」と「経営状況分析」

難しい法律用語の前に、まずはイメージしやすいように「総合健康診断」に例えてみましょう。

  • 経営状況分析は「血液検査やレントゲン」 (特定の項目=財務諸表だけを、専門の検査機関に送って数値化してもらう部分的な検査)
  • 経営事項審査(経審)は「すべての結果を合わせたドクターによる総合診察」 (血液検査の結果に加えて、身長・体重、視力、生活習慣なども含めて、最終的な『総合健康度』を判定する場所)

つまり、経営状況分析という「事前のパーツ検査」を終えて初めて、経審という「総合診断」を受けられるという関係性になっています。

2. それぞれの手続きの「役割」と「内容」

では、実務においてそれぞれがどのような役割を持っているのか、詳しく見ていきましょう。

① 経営状況分析とは?(財務の健康チェック)

経営状況分析とは、会社の決算書(財務諸表)をもとに、「お金の面での健全さ」を審査して点数化する手続きです。ここで算出される点数は「Y点」と呼ばれます。

  • 審査するもの: 純利益、自己資本比率、借入金月商比率などの財務データ
  • 申請先: 国土交通省に登録された民間の「登録経営状況分析機関」
  • 役割: 「倒産しにくい安定した会社か」を客観的に測定する

② 経営事項審査(経審)とは?(会社全体の総合評価)

経営状況分析で出た「Y点」をもとに、さらに「技術者の数」や「工事の売上高」「社会保険の加入状況」といった、財務以外の要素をすべて合算して、会社全体の総合得点(P点)を算出する手続きです。

  • 審査するもの: 完成工事高(売上)、技術職員数、社会保険加入、防災協定など(+経営状況分析のY点)
  • 申請先: 都道府県の建設業課などの「許可行政庁(埼玉県など)」
  • 役割: 公共工事を発注する自治体に提出する、最終的な「通信簿(総合評定値通知書)」をもらう

3. 【一目でわかる】違いのまとめ表

2つの違いを重要なポイントに絞って表にまとめました。

項目経営状況分析経営事項審査(経審)
審査の目的お金(財務状態)の審査会社全体の総合的な実力の審査
算出される点数Y点(経営状況)P点(総合評定値)
申請先民間の登録経営状況分析機関都道府県などの行政窓口
主な必要書類決算書(財務諸表)など経営状況分析結果通知書、技術者の資格証、社会保険の領収書など
手続きの順番必ず最初に行う(1番目)分析結果が出た後に行う(2番目)

4. 手続きの順番を間違えるとどうなる?

前述の通り、手続きの順番は「経営状況分析(民間)」が先で、「経営事項審査(行政)」が後です。
経審(本審査)を申請する際には、添付書類として「経営状況分析結果通知書」の原本を提出しなければなりません。
そのため、分析機関からの結果が手元に届いていない状態では、いくら行政の窓口に行っても(あるいは電子申請システムを立ち上げても)経審を受け付けてもらうことはできません。
決算が終わったら、まずは一刻も早く決算書を確定させ、最初のステップである「経営状況分析」へとコマを進めることが、全体のスケジュールを遅らせないための鉄則です。

5. まとめ:スムーズな連携が「最短での公共参入」への近道

「経審」と「経営状況分析」は、名前は似ていますが、手続きを行う場所も、用意する書類も、審査される内容も全く異なります。
特に最初の「経営状況分析」では、建設業特有のルールに従って決算書を正しく「建設業会計」に組み替える必要があり、ここで勘定科目の分類を間違えると、会社の本当の実力よりも低い点数(Y点)がついてしまうというリスクがあります。

  • 「決算書をどのように組み替えれば点数が高くなる?」
  • 「2つの手続きをバラバラに並行して進める自信がない……」
  • 「とにかく最短のスケジュールで結果通知書(P点)を手に入れたい」

当事務所では、建設業専門の行政書士が、最初の経営状況分析のデータ作成・申請から、その後の経審(本審査)の書類作成・行政手続きまで、2つのステップを完全ノンストップで一括代行いたします。
経営者様が本業の施工管理や営業に集中できるよう、煩雑な手続きはすべてお任せいただけます。まずは一度、弊所の無料相談へお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

行政書士古川俊輔
行政書士古川俊輔
建設業許可専門の行政書士
埼玉県で地域密着対応
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